Googleなどの検索エンジンにおいて、特定のキーワードで検索された結果を上位に表示させるさまざまな工夫のことを「SEO対策」といいます。SEO対策のあるサイトを持つことで、アクセス数を伸ばしたり広告収入を得ることが可能になります。WebマーケティングにおいてSEOは最も注目すべき方法のひとつ。株式会社circlizeは、文章制作によるSEO対策を専門にした会社です。代表取締役 水間雄紀様にお話しを伺いました。
「起業のハードルは高くない」と教えてくれた本との出会い
そもそも私の背景が影響していると思います。父方の祖父は大阪で婦人服の販売を、母方の祖父は地元の和歌山で工場を、父は和歌山県初のインターネットプロバイダー会社を、それぞれ経営していました。成長するに従い、私もいつか起業したいと考えるようになりました。
背中を押してくれたのは、会社売却について書かれた1冊の本でした。「会社ってうまくいかなければ売却もできるんだ。起業ってそこまでハードルが高くないのかも」と思えたことが、一歩を踏み出すきっかけになりました。文字通りサクッと起業はしましたが、後から、会社経営はそんなに簡単なことばかりじゃないと気付きました(笑)。
学生時代の夢は小説家だった
そもそも私は、文章を書くのが好きでした。大学生時代には小説家を目指しており、ある新人賞で最終選考まで残ったことがあります。その際、編集者と話をする機会を得て、自分の本を出版できる寸前まで話が進んだのですが、最終的に夢は叶いませんでした。以降も「文章を作る仕事をしたい」という気持ちを持ち続けており、会社員時代、縁あってWebライターの副業を始めました。それが軌道に乗り、現在の事業へと発展したという流れです。
現在、文章によるSEO対策を専門にしています。文章で検索順位は確実に変わります。また、PV(閲覧)数等の数字により自分が書いたものの手ごたえを感じられるのが、Webライターの魅力だと感じています。
文章が良ければ、サイト評価も検索順位も上がる
ひと口にSEO対策といってもさまざまな手法があるのですが、弊社では「GoogleやYahooなどの検索エンジンで上位表示する」という点に絞っています。
SEO対策にはとにかく自信があり、これまでに数百を超えるキーワードで、Googleキーワード検索で1位を獲得した実績があります。
つい先日、上場企業のクライアントから「(弊社に)依頼した記事が、Google検索結果で上位表示され問い合わせ件数が増えたので、追加でSEO対策に予算をかけたい」といううれしい相談を受けました。
かつて私自身もインターネットメディアを運営しており、ゼロから立ち上げたサイトを1年間でPV(閲覧)数12万件にして売却したという経験があります。
このような経験から、SEO対策に重要かつ高品質な「文章」を提供できるという自信をもっていますし、もっと言うと、自分ほど上手い文章を書ける人は他にいないとさえ思っています(笑)。
文章が良ければ、検索エンジンが検索結果の順位もサイトの評価も確実に上がります。
業務下請けから元請受注へのシフト
最近、自社ホームページを刷新しました。これまで自分で手作りしていたのですが、今回初めてプロに依頼をしました。広告のLP(*)も作り、今後はどんどん広告費を投入していく予定です。
現在の業務は大きく分けて2種類の案件から成り立っています。Webマーケティング会社からの紹介案件が全体のおよそ8割、他は自社ホームページを改善したい事業会社からの直接案件です。LPによりユーザーへ直接訴求できるようになることから、今後は「下請け」メインから、「元請受注」へシフトしていければと考えています。
(*)LP=ランディングページ(Landing Page)。検索結果や広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページのこと。「購入」「お問い合わせ」「資料請求」などの行動を促す目的がある。
リスクの少ないライター業。会社員時代とのギャップに不安も
Webライターという仕事には、そもそも経費がかかりません。元手もまず必要ないため、経営が赤字になることも、事業が失敗するリスクも限りなく低いです。起業後、経営がピンチに陥り、気持ちが萎えてしまうような経験をせずに来られたのはよかったと思います。
ただ、強いて言うなら会社員時代とのギャップに悩んだことはあります。会社員だと、自分が風邪で会社を休んだとしても、給料日にはちゃんとお金が入ってきますが、起業したらそうはいかない。経営者は、自分が仕事をしないと収入が途絶える職業なんだという自覚が芽生えたのは事実です。
今のところリスクは取っていない。
細かい事業計画書は作成していません。というのも、先ほど述べたように、私の仕事は赤字にならないため、計画を立てなくても経営が成り立つからです。
加えて、従業員を多く抱えて会社を大きくしたいという気持ちもありません。現在、社員は私1人で、業務委託先が15名ほどいますが、今のところこれ以上の拡大は考えていません。
また2023年10月には子供が生まれたので、自分が楽しいと思うことをやりつつ、家族を守っていける分の収入があれば充分と思っています。
起業するなら、まず自分のタイプを見極めて
起業家には2種類のタイプがあると思います。
まず、しっかりと事前準備をするタイプ。会社員時代に計画を練って、すでにクライアントを見つけたり会社に話を通したりして融資や投資を受け、プロダクトを作り、マネタイズをしていくタイプですね。
他方は、先に起業してから考えるタイプ。私のように、起業したいがためにいきなり会社員を辞めて、無我夢中でいろんなことにチャレンジし、その中から自分に合ったものを見つけ、だんだんと会社の形を整えていくタイプですね。
私が起業した2018年は起業家ブームで、後者のタイプが多かったんです。これから起業したいと考える人は、自身がどちらのタイプかを見極めて「最適な起業の仕方」を見つけるのがよいかと思います。
(代表取締役 水間雄紀様)
事務局からひとこと
「好きなことを仕事に」という思いと、「とにかく起業したかった」という思いが交差し、結実した会社です。さらに、Webライティングの仕事は、その効果反響をしっかりと見極めることができることから、「自分ほどうまく文章を書ける人はいない」という自信にもつながっているそうです。自分の「好き」という気持ちから生まれる情熱やエネルギーを、だれかの「価値」に代えるという、働く意味を教えられた気がします。これからも水間様がご自身のお仕事に専念していただけるよう、出来る限りのサポートをさせていただきたいと思います。