事業を始めると、必ず、事業経費がでてきますから、それをどう支払うかを考えないといけません。すべての経費の支払を法人口座からすることができたらよいのですが、少額の経費やクレジットカードでしか支払うことができない経費などもあるでしょう。その場合、経費精算をしなければなりません。この点、法人名義のクレジットカード(法人カード)があれば、経費精算などがとても楽になります。今回は法人カードについて解説します。
法人カードとは?そのメリットは?
法人カードとは、法人名義で契約したクレジットカードのことをいい、「コーポレートカード(大企業向け)」「ビジネスカード(中小企業向け)などとも呼ばれます。もちろん、クレジットカード代金も法人の銀行口座から引落しされます。
法人カードの4つのメリット
では、法人カードにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
【1つ目】経費の精算が楽
何と言っても、法人カードの一番のメリットは経費精算が楽になることです。
法人カードがなければ、個人が経費を一旦立替払いした後に経費精算をしなければなりません。それにクレジットカード払いしかできないインターネットサービスもありますから、そのようなときは個人のクレジットカードで一旦支払わなければなりません。しかし、法人カードがあれば、法人で使った分の経費は法人の銀行口座から引落しされますから、経費精算の必要がありません。
また、法人カードは複数枚発行できるものもあります。役員や幹部従業員など経費をよく使う者に渡しておけば、経費精算はもっと楽になるでしょう。
【2つ目】会計処理が楽になる
経費は支払ったら終わりではなく、会計処理をしなければなりません。
この点、クレジットカードの利用明細を自動で取込みをして、会計処理をすることができる会計ソフトもあります。対応している会計ソフトを利用し、自動連携の設定をしておけば、会計処理もとても楽になるでしょう。
【3つ目】法人カードによってはポイントが貯まる
個人のクレジットカードを使うとポイントが貯まり、商品と交換したり、ポイントを使ったりすることができますが、法人カードでも同様にポイントが貯まるものもあります。ポイントを使えば、法人の経費節減にもなりますし、その他の特典が付いている法人カードもあります。
【4つ目】資金繰りが楽に
個人のクレジットカードと同じ様に、法人カードも利用代金は後日支払となります。支払の猶予期間ができますので、資金繰りが楽になります。
法人カードを作ったときの注意点
①年会費がかかるものも
法人カードには年会費がかかるものがあります。無料のものから高いものでは年数万円するものも。年会費のことも考えて、法人カードを選ぶようにしましょう。
②複数毎発行するときはしっかりと管理をする
法人カードを複数毎発行して、役員や従業員などに渡すときは、必ず利用ルールを定めた上で、利用履歴をチェックするようにしましょう。
利用ルールには、例えば、使用した後は上長に報告するとか、毎月の利用履歴を上長に提出する、クレジットカードの利用管理表を作成するなどが考えられます。
管理が不十分だと、例えば、「従業員がプライベートの利用分まで法人カードで決済していて、気付いた時にはその従業員は退職して、連絡がつかない。」といったことが起こる可能性も十分考えられます。
必ず、毎月利用履歴をチェックし、不明な支出があればすぐに確認するようにしておくようにしましょう。
会社設立したらすぐに法人カードを作ることができる?
ここまでお読みになった方は、法人カードが一枚くらいあってもよいと思われているのではないでしょうか?では、会社設立したらすぐに法人カードを作ることができるのでしょうか?
会社設立したばかりでも法人カードを作れる可能性はあります。
もちろん必ず作れるというわけではなく、法人カードの発行会社によっても厳しさは違いますが、代表者の信用情報に特に問題がなければ法人カードを作ることができる可能性は十分にあるでしょう。
法人カードを作ることができなかったとき
法人カードの申込をしても、審査に落ちて発行されなかったときはどうすればよいのでしょうか?
①違う法人カードを申請する
法人カードの審査は、発行会社によって違います。ある会社で審査に落ちたとしても、別の会社で審査に合格する可能性があります。そのため、別の法人カードの発行を申込をするのが一つの方法です。
②1年~2年待つ
会社設立したばかりで法人カードが作ることができない理由の一つが、事業が安定・継続していないため、信用がまだないからです。
事業を1年、2年継続して行うと、少し信用度も高まりますから、そのタイミングで再申請してみてはどうでしょうか?
まとめ
法人カードについて解説しました。経費精算、会計処理が大幅に楽になりますから、起業したら法人カードを一枚くらいは持っておいてもよいでしょう。法人カードを複数毎発行して、役員や従業員に渡すときはしっかりと管理するようにしてください。